第3章 ペリドットの癒し
「精々頑張って彼を支えて下さいね」
このゲームに勝つことが、弱い貴女が生き残る為の唯一の手段なのですから。
そう言って、男はアレスの上から引いた。
「ではまた。ごきげんよう」
長髪を靡かせてテントから出ていった男を、アレスは呆然と見送った。
痛む手首を擦りながらルヴァイドの様子を伺えば、先程よりは穏やかな表情をしているように見える。
「ルヴァイドと恋仲になれですって…?」
あの男はそんな条件を出してきて、一体どういうつもりなのだ。
理解に苦しむが、あの場をしのぐにはゲームを受け入れるしかなかった。
…と、銀髪男の話術にまんまと嵌められてしまったアレスは、その事実にも気付いていなかった。
解けた緊張感に溜め息を吐き、外の空気を吸うためにテントから出る。