第2章 ターコイズの守護
アレスには手桶に映る自分の顔を覗き込み、余りの酷さに苦笑する。
汚れた服を脱ぎ捨て、裸になると、用意されていたタオルで上半身から拭いていく。
そして呆然と立ちつくした。
(皆は無事にゼラムまで辿り着けたかしら)
ロッカとリューグは心配して待っていると言ってくれたが、約束は果たせなかったな。
(私、どうなるんだろう)
お湯の温もりが冷めれば、山の冷気に身が震える。
アレスは早々に全身を拭き上げると、寝間着としても使っている白のワンピースに着替えた。
髪は洗えなかったので、緩く結い上げた。
「お待たせしました」
テントの外に顔を出せば、すっかり冷静になったイオスが腕を組んで佇んでいた。
「用意は済んだか。なら行くぞ」
イオスの先導に、アレスは付き従う。