第2章 ターコイズの守護
アレスはイオスに案内されたテントに入り、彼が持ってきたグラスの水で喉を潤す。
飲み干したと同時に、また別の兵士が手桶に湯を張って持ってきた。
「ご苦労。そこに置いておけ」
イオスが短く指示すれば、兵士は素早く退室した。
その様子に、目の前の青年はまだ若いのに結構な威厳を持っているんだなとアレスは思う。
「あのお湯で体を清めると良い」
「行軍では貴重な水でしょうに…ありがとうございます」
「構わない。ルヴァイド様が丁重にもてなせと言ったからな」
丁寧な礼を述べるアレスに、イオスの表情も僅かに和らいだ。
…のは一瞬だった。
「い、いきなり脱ぐなっ!!どういうつもりだ!!」
ワンピースのファスナーを下ろし始めたアレスに、イオスは赤面して怒鳴り付ける。