第2章 ターコイズの守護
取り残されて困惑するアレスに、イオスは警戒心を覗かせる面持ちで口を開いた。
「…僕はイオスだ。君は?」
「…アレスといいます」
本日何度目の自己紹介だろうなと、疲れた頭でアレスは思う。
「ルヴァイド様とはどんな関係があるんだ」
質問と言うより尋問に近い口調に、アレスは曖昧に微笑んで見せた。
「…まぁ良い。詳しいことは後程御本人から聞く。それより腹は減ってないか?」
「空腹ではないけど、喉が渇きました」
面倒見の良さそうな一面を見せたイオスに、アレスは素直に意見する。
「では、こちらに来てもらおう。ついでに体も拭いたらどうだ」
酷い有り様だぞ?
イオスに指摘されて全身を見下ろせば、確かに泥だらけの煤だらけ。顔や頭はもっと酷いであろう。