第2章 ターコイズの守護
「作戦完了、お疲れ様でした」
そう言って頭を垂れた後、もう一度ルヴァイドを見上げる。
彼の腕の中に見知らぬ女が居ることに気がついた。
「そいつが聖女なのですね」
紫の瞳が美しいなと、青年は端的に思った。
そんな彼に、ルヴァイドは僅かに首を振る。
「生憎だが、この娘は聖女ではない」
「えっ?」
じゃあ何故ここに連れてこられたのか。
口ほどにものを言う視線に、アレスも苦笑いで場を誤魔化す。
「この娘は俺の客人だ。丁重にもてなせよ、イオス」
ルヴァイドの命令に、イオスと呼ばれた青年は反応鈍く頷いた。
その間に他の兵士もやって来て、上司の軍馬を引き連れていく。
ルヴァイドは足早に基地に入ると、その姿はアレスからは見えなくなってしまった。