第2章 ターコイズの守護
作戦に参加した兵士は、軍の顧問召喚師が用意した傀儡。
「なるほど、憑依召喚術ね」
召喚術によって鎧に憑かされた悪鬼か悪霊の仕業か。
ルヴァイドとしては、殺戮に自分の部隊の人間を参加させたくなかったのだろう。
「貴方って本当に…」
馬に揺られながら、アレスは嘆息した。
「愚直な人間なのね」
ルヴァイドは何も反論する事は無かった。
暫く馬で暗い山道を行けば、ぽつりぽつりと松明の明かりが見えてきた。
あれがルヴァイド軍勢の設営した基地なのであろう。
近づくにつれて、馬の足音に気付いたのか一人の青年が基地の方から駆けてきた。
「ルヴァイド様!」
ハイトーンの声色、輝く金髪で半眸を隠した中性的な人物がルヴァイドの元に走り寄る。