第2章 ターコイズの守護
独白するルヴァイドの表情を見上げれば、暗く澱んだ瞳で精悍なはずの顔付きを醜く歪ませていた。
彼の後悔の念と、彼が持つペリドットの波長にアレスは押し黙った。
ルヴァイドは崩れた家屋を避けながら、暗い林の中へと入っていく。
数分進んだ先に、漆黒の馬が手綱を木に結わかれて佇んでいた。
「馬には乗れるか?」
アレスは小さく頷いて、マキシ丈のスカートを翻して馬に跨がる。
その後ろにルヴァイドは跨がった。
手綱を握るルヴァイドに 抱き込まれるようになったアレスは、ふとした疑問を口にする。
「私たちだけ?」
あれだけの殺戮を行った兵士達の姿が影すら見えない。
ルヴァイドは重い口を開いた。
「先にも言ったが、俺達は殺人集団ではない。今回の作戦には別動隊を配置した」