第2章 ターコイズの守護
望み薄の約束。
守れない約束をするのは、ある意味残酷なことなのかも知れない。
でもロッカは言いたかった。何とか生きて、また妹に会いたかったのだ。
「あたしは嫌です!!お爺さん達を置いて逃げるなんて出来ません!!」
「我が儘言わないで!!あなたが逃げなきゃ、あの人達のした事が無駄になるって分からないのっ!?」
拒絶するアメルの頬を、ケイナが思い切りひっぱたいた。その目には大粒の涙。
ショックで大人しくなったアメルを、フォルテが抱き抱える。
「…行くぞ!!」
「皆、こっちだ!!」
ネスティが逃げる体制に入った面々を誘導する。
「ロッカ!!リューグ!!おじいさぁぁあんっ!!」
アメルの泣き叫ぶ声が、森の中に消えていく。
思わず涙しそうになったロッカは、零れる前に腕で拭った。