第2章 ターコイズの守護
「そこの脇道からまっすぐ南に下れば、ゼラムに着きます。流石の奴らも、聖王都までは追ってこれないでしょう」
会ったばかりのあなた方にお願いするのは申し訳ないですが、どうか妹を宜しくお願いします。
「そんな!?ロッカ達は!?」
微笑みの奥に見えた死の覚悟に、アメルは思わずロッカの腕を引っ張った。なぜ一緒に逃げられないのかと。
必死の表情の妹に、ロッカは困ったように柳眉を下げる。
「…大丈夫だよ、アメル。ちょっとお別れするだけだから」
アグラバインとリューグが、黒騎士の攻撃に押され始めた。
なんて奴だ。二人の重い斧を使った攻撃を、軽々弾くなんて。
戦況を見据えて、ロッカはアメルの肩を強く握りしめた。
「……迎えに行くから、先に逃げててくれ」