第2章 ターコイズの守護
槍を手にしたロッカは、冒険者達に守られている妹を見つけると、至極優しい顔で微笑んだ。
「助けに来るのが遅くなってごめんよ、アメル」
「ロッカ…村の皆は…?」
フラフラと足取り怪しく、アメルは兄にすがり付く。
ロッカは妹の震える体を抱き締めると、表情を歪めて彼女の肩口に頭を落とした。
「お爺さんと僕達で、何人か敵は倒したんだけど…」
誰も助けられなかった。
「そんな…」
アメルはロッカの悔しさに溢れた言葉に絶句するしかない。
そして、抱き締めてくる彼の背中越しに髑髏の黒騎士を見やれば、祖父ともう一人の兄がそれぞれの斧で攻撃を繰り出していた。
ロッカはもう一度アメルを強く抱き締めた後、意を決した顔でマグナ達を見つめた。