第2章 ターコイズの守護
ネスティがぐるりと周囲を見渡せば、その表情が一瞬にして強張った。
すっかり戦意を喪失したケイナを背後にやり、フォルテは大きな大剣をチャキリと構える。
「そう易々と逃がしてくれるほど、甘かねぇよなぁ…」
軽口を叩いてはいるが、フォルテのこめかみに大粒の汗が滴った。
彼らの視線の先には、炎の切れ目からどっしりとした足取りで近づいてくる鎧の男。
漆黒の鎧に赤が反射し、手にした剣には返り血がべっとりとくっついていた。
「へぇ…アイツが親玉かよ」
髑髏の兜を身につけたその男から醸し出される覇気に、バルレルは手にした槍を構える。
髑髏の男はじっと目の前の状況を見据えると、兜のせいでくぐもった声をポツリと溢した。