第2章 ターコイズの守護
アメルと呼ばれた少女は、突然の砲撃音に驚き、村娘として育った身のこなしで屋根に逃げ隠れたそうだ。
そこで逃げ遅れた侍女や村人達の断末魔の叫びを目の当たりにし、顔面蒼白で全身を小刻みに震わせていた。
マグナは軒下で大きく腕を広げると、自分の胸の中に飛び降りるようにアメルに促した。
「怖くないよ。ほら、おいで」
昼間だって、迷子の猫を助けようとして俺の上に落ちてきたろ?
マメルと唯一顔見知りになっていたマグナは、彼女を怯えさせないように優しく微笑んだ。
アメルは意を決してマグナの腕の中に飛び下りる。
「…っと、大丈夫かい?」
「マグナさん…っ、黒い兵隊さんが突然の襲ってきて、村を…みんなを…っ!!」
「アメルとやら、とりあえず村を脱出するのが先決だぞ」