第2章 ターコイズの守護
「ちょっと待って」
マグナを制したアレスの顔は、何かを探ろうと真剣な顔つきをしていた。
「アレス…?」
「静かに」
バチバチと燃え散る火花の音、炎に巻かれて倒壊する建物の音。
それらの音に遮られて聴こえにくいものの、アレスの耳には確かにセレスタイトから発せられるシグナルが届いていた。
そして、顔を天井に向けておもむろに呟く。
「屋根の上にいるみたい」
アレスがそう呟くやいなや、マグナは小屋の外に飛び出すと屋根の上に向かって叫んだ。
「アメル!!そこに居るのか!?」
近付く炎の熱風にむせながら叫べば、数瞬遅れて屋根から栗色の髪の少女が恐る恐る顔を覗かせた。
「…マグナさんっ!!」
「よかった、無事だったんだな!!そこから降りれるかいっ?」