第6章 アイオライトの涙
〖それが王-エルゴ-の意志〗
脳に轟々と響く音声に、理性が遠のいた。
「…エルゴの…」
「あん?この女なんか言ったか?」
「ショックで混乱してんじゃねーのか」
「だよな。可哀想に震えちゃて…へへへ、じゃあお先に頂くぜ」
男が自分のイチモツを握って、アレスの秘部にあてがった。
〖犯される前に殺すのだ!〗
〖お前は大地のエルゴの乙女なのだ〗
〖こんな薄汚い者に汚されてはならぬ!〗
〖お前が殺らなければ我らが…〗
「な、何だ!?地震か!?」
大地が揺れる。
男たちの驚愕の声が、ざわめく夜鳥の鳴き声にかき消されていく。