• テキストサイズ

セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第6章 アイオライトの涙


怖いオオカミが出ても知らねぇぞぉ…と下ひた笑いを溢す山賊に、心底から嫌気がさす。

何でこの雨の中、濡れるのも気にせず山を彷徨いているのか。山賊とはそんなに暇なのか。

ともかく、自分の不運を呪うしかないとアレスは傘を深くし項垂れた。

隠した口元で、小さく召喚術の詠唱を開始する。

「若い女だ、高く売れるぞ」
「その前に、俺たちが味見してやろうぜ?」

ゲヘゲへと鼻息荒く山賊がにじり寄ってきた。

「もっと顔を見せてくれや」

伸びてきた腕で、傘をはね除けられる。
アレスはその隙を逃さず、召喚術の発動と共に杖を男に突き出した。

「く…っ、こいつ召喚士か!?」

膝をついて地に伏した男は失神し、もう一人は驚愕に後ずさる。

「私は今機嫌が悪いの。逃げた方が身のためよ?」

/ 332ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp