第6章 アイオライトの涙
ことの重大さに驚きの声が上がる中、マグナは呑気に首を捻る。
「デグレアって?」
「旧王国最大の軍事都市よ。そんなことも知らないの?」
ミニスの呆れた口調に居たたまれなさを感じ項垂れたマグナだったが、気を取り直して黒騎士に問い掛けた。
「何でそんな国がアメルを狙うんだよ?」
「今回の事も、デグレアの軍事行動の一環ということか?」
ネスティが続けざまに尋ねると、ルヴァイドはアメルを睨み付けて言った。
「お前が敵に回そうとしているものの強大さを理解したか」
「あ…」
まさか一国から狙われているという事実に、アメルの顔が青ざめる。
アレスは、ルヴァイドの視線から庇うようにアメルの前に立ちはだかった。
「あんまり虐めないであげて。この子は普通の女の子なんだから」