第6章 アイオライトの涙
マグナは思案する事もなく、イオスの解放を即決する。
イオスが自由になるのを見て、ルヴァイドは捕虜を離すように命令した。
「ミモザ先輩、大丈夫でしたか!?」
「みんなごめんね…」
犯した失態に、珍しくミモザは落ち込んだ表情を見せた。
「ルヴァイド様…すみま…」
「お前は下がっていろ」
怒気を滲ませ、謝罪すら述べさせて貰えない上司の態度に、イオスは唇を噛んで命令に従った。
「さて…」
ルヴァイドはアレスに向き直ると、手にしていた剣を鞘に納めた。
「随分と久しいような気がするな、アレス?」
「………」
敵の大将から話しかけられていよいよ言い逃れが出来なくなったアレスは、諦めたように苦笑を浮かべて見せる。
黒騎士の声に恋慕の情を感じたロッカは、不快感を露にした。