第4章 アマゾナイトの希望
「…アイツ、ここにいんだろ?」
「ロッカのこと?居るわよ」
即答すれば、リューグの唇が苦々しく歪んだ。そのままの表情でアレスの部屋に上がり込む。
「おい馬鹿兄貴!!」
「ちょっと…っ!静かにして!!」
何で君はいつもそう喧嘩腰なのかな!?…と驚くアレスは、急に立ち止まったリューグの背中にぶつかった。
「ご、ごめんね」
「いや…んだよ、寝てんのかよクソ兄貴」
「お兄ちゃんでしょ、そんな風に言わないの」
アレスがたしなめれば、リューグは眉間を寄せて唇を尖らせた。
「好きで双子やってんじゃねーんだよ。弱虫野郎を兄貴に持っちまった俺の苦労が分かるかっ」
「はいはい」
呆れたように相槌を打つアレス。同時に、やけに喋るなとリューグを見つめた。
「……何見てんだよ」