第4章 アマゾナイトの希望
すっかり夜の帳が下りて、空には大きな月が浮かんでいる。
リィンバウムの中でも、ここゼラムではやけに月が大きく見えるなと思ったアレスだが、窓のカーテンを閉めた時点でその疑問も霧散した。
ロッカの方を見やれば、寝返りひとつせず死んだように眠っている。
彼の疲労度は相当だったのだろう。
(……お腹減った)
皆は夕飯など、食事はどうするのだろう。
―――コンコン。
アレスがボケッと部屋の真ん中に突っ立っていたら、扉がノックされた。
何となく赤い方が来たかなと、アレスは扉を開けてやる。
「どうしたの?」
「…飯だとよ」
アレスの予想通り赤い方…もとい、リューグが扉の向こうに立っていた。
その顔は何故か不機嫌だ。