第2章 それは「昔」の「過ち」と「傷」が作り上げたモノ
氷川と付き合って、
デートをして、キスをして、情事を重ねた。
些細なことで喧嘩もしたけど、仲直りできたのはお互いにお互いをまだ好きでいたからだ。
でも、俺たちの関係は終わりを告げた。
「好きな人ができたの」
中学3年、7月。
俺はフラれた。
一年と3ヶ月。
彼女のたった一言で全てが崩れた。
「もう、俺のこと好きじゃないの?」
「……好き、だよ。好きだけど、ごめん」
なんとなくわかっていた、こうなることは。
2年の秋から俺は、レギュラーとなり部活が忙しくなり
彼女と出かけることも一緒に過ごすことも少なくなっていた。
それでも、俺は少しでも時間があれば彼女に会いに行ったし半日ではあったけどデートにも出かけた。
"部活頑張って"
"応援してるよ"
そう言ったのは彼女なのに。
部活優先でもいいって言ったのは彼女の方なのに。
その言葉を俺は信じていた。
信じていたから辛い練習だって我慢できたのに。
裏切られたような気分だ。
氷川は俺を振った3日後に、好きな男と付き合った。