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【6月合同企画】相合い傘

第1章 銀魂/近藤勲





その後、私たちは店を出て別れた。
近藤さんがくれたクローバー柄の傘を差して家に帰る。

この傘を眺めているだけで、
遠足の前日の子供のようにウキウキとした気分になった。
なぜだろう。

もう一度会いたいと思った。




それから近藤さんはたまに私がバイトしているコンビニに立ち寄って、世間話をしてくれた。
街に出て偶然近藤さんと会えば、あいさつ程度だが言葉を交わし、
二人暇なときは、食事に出掛けたりもした。

近藤さんと一緒にいるときは、すごく楽しくて心が弾んだ。
いつの間にか好きになって、頭の中は近藤さんで染まっていった。


『近藤さんは、その……好きな女性はいるんですか?』


ある日思いっきり聞いてみた。
晴れた空の下、甘味処で団子を食べてながら。

もし、"いない"と言ったら告白をしよう。
きっといないはず。
だってもしいたとしたら、今こうして二人きりで私なんかとお団子なんて食べないはずだもん。

居ないはずだと期待した。
でも、近藤さんは恥ずかしそうに笑って、一枚の写真を見せてくれた。

写真の中には、ポニーテールのきれいな女性が映っていた。

「この人が、俺の好きな女性でお妙さんと言うんだ」

お妙さん……。
なんてきれいな人だろう。
私なんかじゃ到底敵わない人。

『付き合ったり……』
「付き合ってはいないよ!俺のただの一方的な片想い。だが、振り向かせる気満々ですがな!はっはっはっ!!」

私は何も言えなかった。

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