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【6月合同企画】相合い傘

第5章 ハイキュー!!/縁下力




いじめに遭っていると知った彼女の両親が決めたことらしかった。

は、以前からずっといじめを受けていたらしい。
俺が見たあの時よりも前に。
それを感じさせないほど、彼女は毎日俺の前で笑っていた。

もし、あの時俺が何らかの形で助けていたら
彼女は転校せずに済んだのだろうか。
どっちにしろ転校したのだろうか。
だけど、助けてやればよかったと思う。
少なくとも、こんな形でお別れなんてしなかったと思うから。


恐ろしいほどの虚無感が俺を襲った。


いつも通りの帰り道。
傘を開いて、隣を見るがそこに彼女はいない。

彼女と歩いた帰り道を、一人で歩く。

赤色タイルを見つけて、赤色のタイルだけを踏んだ。
だけど、全然楽しくなくて、すぐにやめた。

マンホールの上でくるりくるくると踊る彼女の姿はどこにもなくて。

俺は傘を投げ捨てて、その場で声を出して泣いた。
雨に打たれているから、涙か雨かなんてわからない。
だから俺はたくさん泣いた。
大粒の涙が頬を伝うのがわかる。

ここに、この場所に、俺の隣に、君がいないってだけで、
どうしてこんなにも景色が滲んで見えるのだろう。

俺は、ずっと泣き続けた。
子供のように、ずっとずっと。


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