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【6月合同企画】相合い傘

第2章 ハイキュー!!/及川徹




俺の話も聞かずに、彼女は歩き出す。
大きなため息を吐いて、俺は後姿を追った。

俺が話を聞かないとすぐに機嫌が悪くなるくせに
俺が話したことはいつも覚えていないんだろうな。

ちょーっと女の子と話してるだけで焼きもち焼いて、
拗ねるとめんどくさいし、
我がままだし、自分勝手だし、
俺のこと振り回すし、どうしようもない彼女だよ。

それでも俺がのこと好きなんだから仕方がない。

『買い物終わったあ。帰ろう』

手に4つの袋を持っている。
俺は左手を差し出して、その荷物を持つ。
今日の荷物は合計16。
それなりに重くて、何度も持ち直す。

手なんてつなげる状態じゃない。
だから肩を寄せ合って二人歩く。
本当は手を繋ぎたいんだけどなぁ。

それを言ったら、いたずらっ子のように舌を出して「イヤ」と言われた。
からかっている時の顔の一つだ。

外に出るために、傘を取り出そうとするが荷物が多すぎて取ることができない。
俺はを見つめて、

「、俺のバックの中に折りたたみ傘入ってるから出して」
『わかった』

折りたたみ傘を取り出し、開く。
俺がそれを受け取り差そうとしたが、キリッとした―――ドヤ顔でが

『私が差す!!』

どうやら相合傘をしたいらしい。
それにしたって別にドヤ顔で言う必要ないよね。
俺はくすくすと笑った。

一つの傘に入って俺たちは家に帰る。
相合傘ってこんなにドキドキするんだね。
初恋思い出しちゃうよ。

しばらく歩いていると、ぷるぷるとの腕が震えてくる。
やはり、180以上の男と150と少しの女の身長ではきついものがある。
腕を精一杯伸ばす彼女は少し辛そうだ。

「俺が持つよ」
『いいの』
「でもきついでしょ」
『大丈夫だって』
「なんでそんなに頑固なのさ」
『徹いっぱい荷物持ってんじゃん。それに、徹の物は私が持ちたいの』

その言葉に思わず笑った。
なるほどね。
の荷物は俺が、俺の荷物はが持ちたいってことか。

はい、今心臓を鷲掴みにされましたー。
くっそかわいい。



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