第2章 ハイキュー!!/及川徹
シャワーから帰ってくると、彼女は既に起きていた。
布団を畳んでくれたらしく、部屋の隅の方に置いてある。
「おはよう」
『おはよう。もしかしてシャワー浴びたの?』
「うん。も浴びてくる?時間あるし」
『ううん、いい。顔洗ってくるね』
俺達はお互いに出掛ける準備をし始める。
俺は洗顔から帰ってきたに声をかけた。
「あのさ、今日買い物行くでしょ」
『うん』
「その時に大きめの布団と掛布団買わない?」
って言ったら、彼女は大きい目をぱちくりさせ
『なんでそんなの必要なの?』
って笑った。
やっぱり気づいているわけないか。
俺は苦笑いをしながら
「大学行ったら同居するでしょ」
『うん』
「その時のためにもさ、買った方がいいと思うんだよね」
『別にこのままでいいじゃん。徹と同じ布団で寝たい』
くっそ!
かわいいこと言ってくれんじゃん!!
そんなこと言われたら、これ以上何も言えなくなるでしょ!?
赤くなる顔を隠して、俺は彼女の手を握った。
でもきっとにはばれていたと思う。
ニヤニヤと笑っていたから。
外は雨が降っていて、二人傘を指す。
車で跳ねた水が彼女にかからないように道路側を歩く。
どんな服が欲しいとか、こういう物が欲しいと
隣で楽しそうに話す彼女の声を聞きながら
俺は、ただただうなづいた。
* * * * *
『私ワンピースが欲しいのよねー』
スキップをする彼女の足取りは軽い。
そしていろんな店を立ち寄っては立ち止まる。
『これもかわいいなぁ。あ、これもいい!!』
服を自分にあてて鏡で確かめる。
最初こそ俺も彼女の服選びに付き合っていたけど、
流石にずっとは続けられない。
女の子ってすごいね。
だんだん服の模様が同じように見えてきてしょうがない。
というか、
「それ、ワンピースじゃないじゃん」