第2章 ハイキュー!!/及川徹
「くしゅっ!!」
朝方、俺は俺のくしゃみで目を覚ました。
え、なんでこんなに寒いの!?
昨日、掛布団掛けたよね!?
もう一度くしゃみをして、隣を見てげんなりした。
が掛布団を一人占めしていたのだ。
確かに一人用の掛布団だから一人占めになるのはわかるけど、
それでもさ、芋虫みたいに巻かれて寝ることなくない?
俺の分も少しは残せよ。
まぁ、これもいつものことだからいいけど……。
俺は、から掛布団を引きはがす。
時計を見るとまだ朝の6時。
あと1時間は寝たい。
二度寝しようと思って、布団に寝転がると顔面にの手の甲が思いっきり当たる。
「いたっ!」
『う~ん』
相変わらず寝相が悪い。
「ったく」と文句をたれながら、もう一度寝ようと思ってもその度にの足や腕に邪魔され、寝るどころではなくなってしまった。
彼女を睨みつけ、叩き起こそうと試みる。
でも、の気持ちよさそうな寝顔を見ていると
怒りたくても怒れなかった。
「……涎なんて垂らしちゃって、どんな夢見てるんだか」
ほっぺをつついて、俺はクスッって笑う。
本当に惚れた弱みって怖いなぁ。
俺は一つの伸びをして、シャワーを浴びることにした。
11時に出掛けるから、それまで時間はある。
ゆっくり支度をしよう。
を起こさないように、静かに部屋を出てシャワーを浴びに階段を下りた。