第33章 音也×ベビードール
「○○…」
名前を呼ばれて
ふと我に帰る。
『ん?』
少し着乱れて
落ちたベビードールの肩紐を
そっと戻してくれる音也くんに目を向ける。
「幸せにするからね…」
泣きそうな顔でそう言うと
私をきつく抱きしめて
離してくれそうもなかった。
『ふふっ、…うん。』
私もそれに答えるように
しっかりと抱きしめ返した。
これからも
ずっとそばにいて…
2人のことを祝福するかのように
丸くて大きな月が
私たちを照らし続けていた…
いつか、2人で一緒にあの扉から出て、
あの大きな月を
もっと近くで見られる日が来るといいな…
END