第30章 レン×吸血鬼
なのに…!!!!
「くっ…こんなはずじゃ…」
俺の餌食になる予定だった
街中の美しい娘たちが次々と謎の死を遂げてしまった…
恐らく同族の仕業…
…誰かが俺のテリトリーに侵食してきたらしい…
おかげで俺はなかなか血にありつけず、
渇きと飢えで瀕死状態だった…
なんとか食い繋げてきたものの
今回の飢えは尋常ではない。
「こんなところで、死ぬのか…」
俺は食料調達に森に来ていたが、もう歩く気力すらない
木にもたれかかって、もうすぐで閉じそうな瞼に必死に抵抗していると…
瞬きの瞬間…綺麗な白い足が見えた…
そこから、意識を手放してしまった。
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「ん……」
次に目をさますと、
暖かな木漏れ日に包まれた
眩しい部屋にいた…
(……??天国?…
いや、俺たち天国には行けないか…)
グッと体を起こして、
手をグーパーさせて自分の体を確かめる。
(元に…戻ってる…)
不思議に思いながらも
あたりを見回すと
真っ白なレディが椅子にもたれかかっていた…
このレディが助けてくれたのか…って…
「……!!!!!」
も、ももしかして、俺、
気を失ってる間に無意識にこのレディの血を!?!?
(そ、そそそんな…)
真っ白になってガクンて椅子に座っている彼女をみて、焦っていると
フッとその大きな瞳が開いて
『あ、起きたのね!…』
なんて思ったより可愛らしい笑顔で笑った…