第28章 トキヤ×チアガール
『一ノ瀬さん、聞いていますか?』
「あ、は、はい…」
彼女は僕の作曲家パートナーとして
早乙女学園に来ています。
アイドルには興味がないが、
すぐに作曲家としてのデビューが決まる
この学校を踏み台にするんだとか…
再開したときは
それは嬉しかったですよ…
結局私のことすら認識していないまま
彼女は卒業していったんですから…
まぁ、彼女は私と同じ中学校だなんて、
知らないんでしょうけど。
また、チアリーダーの服、着て欲しいです…
**
そんなある日
「体育祭のお知らせ?」
寮の壁一面に貼られてあるポスターに
目が留まりました。
「あ、体育祭やるんだ〜!
楽しそうだね」
と音也が後ろから話しかけてくる。
「えぇ。
体育祭…これは素晴らしいです。」
「あ、うん…そだね…
(珍しくノリノリだなぁ…)」
「ほぅ…体育祭か…
俺は昔、応援団長をしたことがあってな…」
「へぇ…
聖川が応援団長ねぇ…」
「なんだ。」
「いいや…
俺もやってみたいな…と思ってね…」
なにやらぞろぞろと集まってきました。
「へぇ…体育祭ですかぁ〜
面白そうですね。」
「お前のメガネを飛ばさねぇ工夫しなきゃだな。」
「確かに、那月の眼鏡は死守しないとだね。」
「え~?
なんでですか〜?」
「当日は弁当を作ってこいと書いてあるな。」
「あ、ほんとだ…
そんなの作れないよ~
ってことで、まさ!お願い!」
聖川さんに手を合わせてお願いする音也。
「確かに、聖川のご飯はうめぇもんな!」
「僕手伝いますよ〜」
「やめてくれ。」
と賛成の様子の皆さんを
微笑ましくみていると
「イッチーも手伝ってやれよ。」
と、レンが余計なことを。
「何故私が。
まぁ、しかし、聖川さんとなら
仲良くできそうですし…
かまいませんよ。」
結局こうなってしまう。
「やったぁー!
じゃあ俺たち合わせて6人分
よろしくな!」
「え、えぇ。」
笑顔が眩しい…
「そうと決まっては
買い物に行かなくてはいけないな。」
「そうですね。
買うものだけリストアップして
前日に買いに行きましょうか。」
「うむ、そうしよう」