第26章 おまけ
そっか、
僕…
知らない間に彼女の目を見るの
やめちゃってたんだ…
華ちゃんの瞳は嘘をつかない。
だから怖くて
見れなかった。
僕を真っ直ぐ見てくれなかったら
僕だけを見てくれてなかったら
どうしよって
自分から華ちゃんを
遠ざけてたんだ…
華ちゃんは
僕の涙を優しく拭き取って
手を握ってくれた。
そして…
「最近、嶺二の様子がおかしいの…
分かってた。
でも、クリスマスになったら
また元どおりになるって
嶺二の優しさに甘えてた。
遊ぶの夜遅くなってたのは
そのマフラーを友達に教えてもらって
編んでたからなの。
もちろん女の子よ?
嶺二のマフラー借りた時に
採寸して、
でも、私不器用だから、
こういうの得意じゃなくて…
すごく時間がかかっちゃった…」
「なんで、ストーカーちゃんに
教えてもらわなかったの?」
「お姉ちゃん、
うっかり嶺二に言いそうだし
嶺二、お姉ちゃんに
私のこと相談とかするかなって、
そしたらお姉ちゃんの負担…
大きくなっちゃうから…」
「じゃあ前携帯見せたくないって
過剰反応してたのは?」
「友達に、嶺二に何をプレゼントするか
相談してる最中だったから…」
胸のつっかえが
全て解かれて華ちゃんへの
疑念が全てなくなっていく…
それから、華ちゃんは
立ち上がって僕の目の前にきて
「私は、嶺二のこと、
大好き。」
と、唐突にそう言う。
普段そんなことを言わない華ちゃんに
僕がビックリしていると
「お姉ちゃんのことを
一緒に大切に思ってくれるとこも
すぐに妬いちゃうとこも
負けじと対抗しようとするとこも
私を妬かせようとして
他の女の子に気のあるフリしちゃうとこも
そんなことしてても
結局私のこと大好きで尻尾ふっちゃうとこも
我儘聞いちゃうとこも
怒れないで溜め込んじゃうとこも
こうやって泣いちゃうとこも
人一倍寂しがりやなとこも
全部大好きだから。」
と続ける華ちゃん。
僕は自分の顔がみるみる
赤くなっていくのがわかる。
あぁ、華ちゃんも
僕と同じくらい
僕のこと思ってくれてるんだって安心する。