第21章 蘭丸×スポーツユニ (前編)
放課を知らせるチャイムがなって
急ぎ足で体育館へ向かう。
皆には知られていない
秘密の場所。
そこでひっそりと
バスケ部のあの人を見る
誰にも気づかれず
ただひっそりと…
**
『えっと…あの人は……』
体育館の下の窓から
彼の足を探す
けど、
「キャーッ!!!!
嶺二さぁーんっ!!
蘭丸さぁーんっ!!」
という黄色い声援により
あっさりと見つかる。
そう、私の好きな人の名前は
黒崎 蘭丸先輩。
1年生のとき、
痴漢にあったことがあって
助けてくれたのが彼だ。
それから私は1年と少し
届かない片思いをしている。
『ふぁ…
今日もかっこいいなぁ…////』
私は毎日ここへ
彼の練習姿を見に来る
そして、
「黒崎せんぱいっ
はい、タオルですっ!!」
あの可愛い
子猫のようなマネージャー
七海 春歌に
毎日コンプレックスを抱くのだ。
**
蘭丸side
「ランラーン…またあの子来てるよぉー?
声かけてあげないの~?」
そう言って
俺の目の前で
ニカッと笑うのは
寿 嶺二。
中学からの
古い付き合いで
なんとなく一緒にいる。
あの子って言うのが
体育館の下にある窓についた柵に
必死にしがみついて
練習を凝視するちょっと怖いやつ。
あいつが誰かを好きなのか
もしくはバスケが好きなのかは分からない
とりあえず
放置している
もはや名物化しているが
あの女は一切そのことに気づいていない。
誰にも気づかれてないと
おもってんじゃねぇかな…