第18章 翔×制服ブレザー
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木曜日。
「本当に今日居ないの?」
朝学校に行く俺の背中に
こう聞く○○。
俺は家に居たくなくて
那月と遊ぶことにした。
「居ねーよ。
あいつくんだろー。」
『そうだけど………』
俺はこのときの
こいつの少し浮かない顔なんて
見向きもせずに
家を出てしまった。
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「はぁ!?!?
今日無理になっただと!?」
「ごめんね、翔ちゃん。
今日お父さんとお母さんが
久々に地元から顔を出してくれるって
言うから……
翔ちゃんもくるなら、
暇は潰せると思うけど……」
学校で突然の予定変更を強いられる俺は
すげぇ焦ってる那月に
「ん、じゃあもういいよ。
楽しんでこいよ。」
「ごめんねぇ~!!;;;」
「ッ!!?
わかったから離れろッ!!!!」
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俺は結局家に帰って
テストの勉強をすることにした。
玄関に着いてポケットを探すと、
「ねぇ……」
いつも入ってるはずの鍵が
なかった。
仕方なく俺は
ベランダによじのぼって
俺の部屋にある
小さな窓から入る。
机にそのままにしてしまっていた
鍵を見つけて一息つく。
「……あ、靴…」
玄関に靴をもどしに
部屋を出ようとすると
『ただいまー。 』
○○が帰ってきた。
「お邪魔しま…す」
あいつと一緒に。
「げっ。」
俺はドアノブにかけた手を
さっと引いて
息を殺して
聞き耳をたてた。