第17章 砂月×ケーキ
少し歩いてベンチに座ると
木陰に吹く暖かな風が
心地よくて
眠たくなる…
「ふぁあ……」
俺は、大きくのびをして
あいつが来るのを待った。
かれこれ20分ほどたったが、
○○はいっこうに
来る気配がない。
「?」
おかしく思い、
ベンチから立ち上がって
さっき見かけた
クレープ屋に行ってみる。
「いねぇ……」
俺を探してるんじゃねぇかと
電話をかけてみると
プルルルル
プルルルル
ザーッ
「もしもーし」
○○じゃねぇやつが出た。
「あ?」
『砂月くんっ!!!』
遠くの方で○○の声が聞こえる。
「○○!?
お前、誰だ。」
電話の相手に自分の声が強ばるのが分かる。
「女は人質だ。
助けたければ、
××倉庫まで一人でこい。
早くしないと……
女に何するか分かんねぇぞ?」
『きゃっ!!
触んないでっ!!!』
ツーッ
ツーッ
ツーッ
「チッ…」
俺は指定先まで
ダッシュで向かった。
○○っ!!!
**
○○side
薄暗い倉庫の中で
椅子に手と足をくくりつけられて
いつもの力が出ない。
『こんなことしたって無駄よ!!!』
そんな不利な状況でも
キッと相手を睨み付けて
威嚇する。
「おう、おう
ホント威勢のいい女だな。
ま、こんな拘束されてちゃ
説得力もねーけどな。」
この前私に絡んできた男達が
砂月くんに仕返しするために
仲間を引き連れて
私を誘拐した。