第17章 砂月×ケーキ
「僕、なんとなく分かっていたんです。
自分のなかにもう一人の自分がいること。
貴女の瞳には僕じゃなくて
僕の中の誰かを見てるんだって
すこし感じていたんです。
いつか、貴女が砂月って
僕のことをよんだことがありました。
僕、分かっちゃったんですよ。
あぁ、僕のなかには
砂月くんて人がいるんだーって。」
泣きそうな顔で必死に笑顔をつくる
那月に○○も泣きそうになって
抱きつく。
ガシッ!!!
いてぇよ、馬鹿力。
『………別に砂月くんのこと好きだけど
あんたのこともちゃんと好きだよ。
だって…
那月くんの中に砂月くんは
いるんだもん。』
「……//
すいませ、ん
僕……」
ぐっと那月の胸に顔を埋めてから
ばっと顔をあげて
『……でも、一番は砂月くんだけとね!!!////』
顔を真っ赤にして目をそらす。
全部が顔に出るこいつなら、
鈍い那月でも気づくだろうな……
「はい…!!///」
それから那月は俺のことを知りたがって
○○は自分のことのように
あることないこと
俺のことをしゃべっていた。
**
こいつらが
きちんと恋人同士になって
結構たった頃。
久々に俺でデートすることになった。
理由はジャンケン。
勝った方がデートできるってので、
俺が最初にグーを出して
入れ替わった那月がチョキを出しただけのこと。
「はぁ………」
『なんで溜め息??;;
あ、砂月くん!!!
クレープだよ!!!』
どんだけ甘いもの好きなんだよ。
毎日ケーキ食ってるくせに。
『ちょっと買ってくる!!』
「はいはい。
あっちのベンチにいるから。」