第17章 砂月×ケーキ
二人が鬼ごっこをするたびに
グラウンドがめちゃくちゃになる。
学園側はかなりの迷惑を
被っていた。
『はぁ…はぁ…
なんで、
愛しのハニーが来てあげたって言うのに、
逃げんのよ…』
「うるせ…ハァ…俺は、
愛なんて信じねぇ。…ハァ…」
二人で草原に寝そべって
話をする。
一方的にこいつが話すんだが。
○○は
俺を見つめて
『好き…。』
何て言うから、
「……
ありがとうございます!!!
僕も大好きですよ??///」
那月と交代した。
『逃げたなっ!!!』
「……??///」
**
結構こんな毎日が続いていた。
最近は眼鏡も直して
より那月でいる率が上がったからか
那月と仲良くやってるみたいだ。
結局そんなもんなんじゃねぇか…
俺は少しのわだかまりを
感じつつ
那月のなかで
息を潜めていた。
**
「やっぱり○○さんが作る
ケーキは格別です。」
今日もせっせと
お菓子を運んでくる俺の恋人…
いやいや、
那月の恋人は
『当たり前でしょ?
ま、あんたに褒められても嬉しくないけど……//』
顔を赤くして
そっぽ向く。
その姿が可笑しかったが、
二人の関係を素直に祝福できない自分もいた。
「……
さっちゃんにも食べさせてあげたいな…」
『え……?』
突然の那月の発言に
俺も○○もびっくりしていた。
俺の存在に気付いていたのか…… ??
「○○さん、
本当は僕じゃなくて、
さっちゃんが好きなんですよね?」
人気のないベンチで
お皿にのったケーキを眺めて
那月は語り出した。