第17章 砂月×ケーキ
復活した太った男に
殴られそうになりギュッと目を閉じる
彼女を見て
ようやく俺は助けに入った。
「うぜぇ。」
俺はいつもの馬鹿力で
その男たちを
一瞬にして殴り飛ばし
事なきを得た。
『………///』
「おい、大丈夫か?
次は絡まれんじゃねぇぞ。」
知らねぇ他人に何やってんだ俺。
はぁと息をはいて
その場を立ち去ろうとする俺の裾を
ギュゥと握って、
その女はこう聞いてきた。
『甘いもの…好きですか?』
**
あれから、
あの女の家(洋菓子屋)に連れていかれて
散々試食をさせられたあげく
名前やら学校やら、個人情報を
言わされて
今に至る。
『ケーキあるよー?
いらないのー?』
那月にはほとんど興味ないみたいで
甘いものを食べる那月には
ほとんど関心を示さなかった。
珍しい人種すぎて
どうしたらいいのか分からねぇ。
こんなことを考えて
油断していると
『みーつけた♪』
鬼が来た。
「こっちくるんじゃねぇぇぇえ!!!!!」
学校のグラウンドを走って逃げ回る俺に、
かなりの速さで着いてくるこいつ。
「あれ?那月……??
何やってんの?」
「バカ、あれは
那月じゃなくて 砂月だよ。
世の中いるんだな。
物好きってやつが。」
廊下から
グラウンドを眺めながら
会話をする音也と、翔。
「…でも、彼にはもったいないくらいの
素敵なレディだったよ?
………礼儀はなってないけど…」
なにか言われたのか
すごく落ち込んでいるレン。
「へぇ…大変…だね。」