第16章 真斗×花魁
**
『高尾様。
お飲み物のご用意ができました。
お熱いうちにどうぞ。』
本来、太夫のお付きをする人(子供)はいるのだが、
高尾太夫は
いっこうにそちらには構わず、
○○にばかり
雑用を強いた。
「えぇ。
ゴク…
っ、なにこれ。
こんな不味いお茶、飲めないわよ!!」
ばしゃぁぁ
そして、酷いときには熱いお茶を
彼女に浴びせるのだ。
『っっぅぅっ!!!!!!』
○○は声も出さずに
ただ、叫んでいた。
兄である俺と林檎は
妹を助けようとしていた
でも、今みたいに
地位もなかった俺達は
影で支えてやることしかできなかった。
あいつはそれでも
めげずに頑張ったんだ、
でも、床に着けば
当時性のはけ口でしかなかった
○○は愛のない行為を
たくさんしなくてはならなかった。
『あっ、んんっ、やっ!!…』
「っ、う…ハァ…
こら、逃げるな。
また、縛られてぇのか。」
『あっ、ごめんなさ…っ、
やめっ、いやっ、やめてくださっ…
んんっ…!!!』
「太夫に言われてるんだ。
お前を泣かせたら
評価が高くなるって。
だから、ほら、
泣けよ…」
『いやぁぁぁあっ!!』
愛のない行為だけじゃない。
他の遊女にはない苦痛さえ
高尾太夫目当ての男たちから
強いられていた。
それから、
今の店主に変わってな…
○○をえらく気に入ったみたいで、
当時の高尾太夫をクビにして
新しい高尾太夫に○○を抜擢したんだ。
それから大分
精神的な疲労は回復していったんだが、
接客となると、
手が震えたり
気を失ったり
最初のときは
営業なんてできないくらい
体が男を拒絶してた。