第22章 心
白龍「レイ。」
夜になり、誰もいない謁見の間の真ん中で一人立っていたレイに声をかけたのは白龍だった。
レイ「・・・どうしたの?白龍。」
白龍「・・・姉上達を連れて行かない、本当の理由は何ですか。」
レイは驚いて目を瞬かせた。
レイ「どうしてそう思ったの?」
白龍「レイ、姉上達をさりげなく避けてますよね。特に軍議が終わった後など。」
レイ「・・・なるほど。紅炎や紅明、紅覇、白蓮には気付かれなかったけど・・そういう事ね。」
レイは納得したかのように皇帝の座を見上げる。
白龍「・・・?」
レイ「白瑛を置いていく理由は間違ってないよ。それが本当。」
白龍「・・・では、紅玉殿はやはり違うのですね。」
レイ「あのお父さんの事だし、好意を寄せてる紅玉を利用しないわけがない。」
白龍「・・利用?」
レイ「・・・ダメだよ白龍。貴方はまだこちら側に来て欲しくない。」
レイはふわりと笑って白龍の方を見る。
レイ「白龍、私のワガママだけど、これ以上は聞かないで・・・?」
白龍「・・・分かった。」
レイ「ありがとう。」
白龍「最後に1つだけ。」
レイ「なに?」
白龍「シンドバッド王を倒した後・・・レイはどうするんだ?」
その質問にレイは答える事なく、ただ微笑んでいた。