第20章 おかえりなさい
白雄「・・・この子が、レイの母親なのか?」
レイは、黙ったまま頷いた。
白蓮「意識・・・はないよな。」
レイ「アル・サーメンが、ルフの流れにお母さんを戻さないようにしてるの。お母さんが大事だから。」
白雄「・・・なるほど、そういう事か。」
レイ「でも、まだ寝ててもらう。」
白龍「!どうしてですか?せっかくまた話せるのに・・・!!」
レイ「今起こしたら、お母さんも戦わなくちゃいけなくなるから。」
レイは悲しそうに笑った。
静かな部屋にバァンッ!!と勢いよくあく扉の音がした。
兵「報告します!!バルバッドより練 紅炎殿たちがこちらに進軍してくる、との事です!!!」
白雄「・・・来たか。」
兵「それと・・・その、シンドバッド王達もいるとの事で・・・!!」
白龍「・・・その報告、虚偽の可能性は?」
兵「いいえ!2方から同じ連絡です!間違いないかと・・・!!」
レイ「・・・アラジン達も来るのね。バルバッドから?」
兵「いいえ、シンドリア一行は海路で、紅炎殿達は陸路でこちらに向かっております!」
レイ「・・そう。お父さんたちを足止めすればいいのね。」
白雄「?先に来させないのか?」
レイ「紅炎達が来た時にお城が崩れてたら、紅明の策で負ける可能性があるからね。」
レイが指を鳴らすと、どこからともなく現れた多数の魔導士。・・いや、アル・サーメン。
レイ「いい?聞いた通りよ。お父さん達をうまい事足止めして頂戴。」
「「「仰せのままに。天空の王女様。」」」
ジュ「はー・・・しかし圧巻だな。あいつらがこんなにも言う事聞くなんてよ。それに、ルフも白いの混ざってるし。」
レイ「ジュダルもだよ。白いの混ざってる。」
ジュ「わーってるよ!・・・レイ達に会わなかったら、今頃真っ黒だと思うぜ?」
レイ「ありがと、ジュダル。白龍。」
白龍「感謝をするのは俺の方だ。・・・本当にありがとう、レイ。兄上達を救ってくれて。」
レイ「お母さんが連れて来てくれたの。私は手当てしただけ。」