第1章 穴無き穴と仲間達
年下だろう。幼い顔つきで、灰色のボブ・・・?坊ちゃんカット・・・?をしている。
(こ、これはやっぱ坊ちゃんカット・・・?)
「あのッ!」
彼は少し頬を赤らめつつ嬉しそうに迫る。彼も同じことを考えついたようだった。先を越されてしまったようだ。
「財布、ショッピングセンターでお財布拾いませんでした!?」
「あぁやっぱり!どっかで聞いた声だと思ったら。」
「うわぁ嬉しいなぁ。あの時はありがとうございました。それにしてもよく覚えてましたね!」ニコと可愛げがある笑顔を見せた。
そりゃあまぁそんだけ特徴的な声されちゃなぁ。
って、彼も同様に私のことを覚えていたのだ。まさか私も特徴的な声を・・・。
「してますよ?」
「えぇえ?」
「口に出てますよ。僕の声が特徴的ってとこから。」
Oh.Nooooooooooooo!!!!!!!!!!!ほぼ全部じゃん!!??
そんな、感動(?)のご対面が・・・。私のバカが・・・そんなんだから関わりなくても嫌われるのよ・・・。
それに結構可愛い顔・・・してる子・・・少なくとも仏頂面でもなければ刃むき出した性格でもない。(確信)
「ごめんなさい、とんだ失礼を・・・。」頭を下げて謝る。
どっかの誰かさんたちのおかげで対人関係の構築の仕方が分からなくなってきてすらあるわくそぉぉぉおおおお!!!!!
「でも僕、確かにちょっと変わった声してるって言われることはあります。だから気にしてませんし頭あげてください。それに貴方だって特徴的な声してますよ?」
「どんな!?」
「・・・・・んー・・・キリンっぽいような。」
「キリッ・・・キリン!!??」
ってかあれって声出すの!!??(※出します)
「ふふ、すいません。ちょっとからかっちゃいました。それにしてもなんでこんなとこに?」
さっきとはまた違った、無邪気ないたずらっ子のように笑う。
私はそんな彼の顔に少し胸を詰まらせた。
Yes,"萌えた"とかいうそれです。
「私訳あってこの辺の家で下宿させてもらってるんです。それで、近くに海があると聞いたので見てみようと。あなたこそどうして?」