第12章 木吉鉄平編
私は誠凛高校一年生、水城アリサ。
バスケ部のマネージャーなの。
そして……
―私たちは夏の合宿に来ていた。
「お、おはようアリサ。」
朝、起きて廊下に出ると、木吉先輩が寝癖がひどいままで来た。
私はその様子を見て、くすっと笑った。
「なんだ?
何か変なものがついているのか?」
木吉先輩は顔のところどころを触っている。
私はとうとう耐えきれず、笑いながら言った。
―寝癖、酷いですよ。
「そんな事か、早く言ってくれよな。」
鏡見てから来てくださいよ~。
私と木吉先輩は声を出して笑う。
あ、早く朝ごはんの準備にかからなくては……
「アリサ、今日も美味しい食事をよろしくな!」
木吉先輩がにっこりしているのをみていると、なんだか幸せだ。
天然キャラな木吉先輩だけど、おっとりしていて一緒にいてると心地いい。
私は木吉先輩が大好き。
告白したいって考えていた。
そう考えていたら、木吉先輩はボーとしている私に話しかけた。
「なぁ、部活動が終わった夜、時間空いてるか?」
木吉先輩からのお誘い。
私はなんだろうと思い、大丈夫ですよと答えた。
「よし、そうと決まれば、みんなも誘おうか!!」
―一体何をしようとしているんだろう。