第8章 氷室辰也編
私は温かい肉まんを手に店を出た。
外は雪が降り始め、私のはく息が白いもやになる。
傘、忘れたな……
私はホクホクと湯気をたてた肉まんをパクっと一口食べた。
すると、傘をさした人影が私の目の前に出てきた。
「雪が降ってきたね。
俺の傘の中に入る?」
―氷室先輩だった。
私はありがとうございますと言って、氷室先輩のさす傘に入った。
氷室先輩は微笑ましく私を見る。
「あ、アリサちゃん口に何かついてるよ?」
私は焦ってしまい、急いで手で拭おうとした時―
……チュ
氷室先輩は私の唇を奪った。
私は顔が真っ赤になるくらい恥ずかしくなり、うつ向いた。
こっこんな所で……!!////
「アリサちゃんの照れた顔をもっと見せて欲しいな。」
氷室先輩は何もなかったような感じに、言った。
私は氷室先輩の顔をすっと見た。
すると、氷室先輩は真剣な顔をする。
「ね、俺の彼女になってくれない?
……I need you.」
私は氷室先輩が大好きです////
前からずっと気になっていて……だから、付き合って下さい!!!///
私はストレートに告白した。
氷室先輩の顔から笑顔がこぼれ、もう一度私にキスをした。
「室ちんとアリサちん……」
むっくんがばさりと、お菓子が大量に入ったコンビニ袋を落とした。
私はそんな事も気にも求めず、氷室先輩に夢中になってしまう。
氷室先輩は傘を落として私を抱き締めると、耳元で呟いた。
「アリサ、I love you.」