第6章 赤司征十郎編
貴様は何者だ。
何故部活にいる。
―僕はアリサが嫌いだった―
マネジャーが選手に注意をして良いと勘違いしているようだね。
気違いにもほどがある。
そもそも僕には、助けなど必要無い。
何もかも見透せる。
僕を侮辱しているのか?
僕は君とは違う。
僕に逆らうなら、容赦はしない。
たとえ女でも……
「ごっごめんなさい…赤司くん」
キツイ言葉をいとも簡単に浴びせてしまう僕でさえ、最近はアリサのうるうるする目にためらってしまう。
僕に失敗した事で怒られると思っているアリサには、可愛い、愛しい瞳にうっすらと涙が浮かぶ。
僕は恐れられているんだね。
アリサは少なくとも僕を好いてくれて無いのだろうな。
びくびくしているのを見ていると、萎えてしまう。
別に…それが解決策なら問題ない。
ほっと漏れる息の傍らで僕は…
アリサ……僕は君が好きでたまらないよ。
けど、僕だって恐いんだ。
アリサに裏切られる……いや、嫌われるなんて思いたくない。
僕は、アリサに“勝つ”。
僕の想いは敗北しない。
たとえアリサでも。