第5章 紫原敦編
私はむっくんを待った。
氷室先輩は、岡本先輩たちとさきに一緒に帰っていった。
暫くしてからむっくんがバックを片手に私に近づいてきた。
「あれ?
室ちん、帰ったの~?」
そうみたいだね……
気まずい空気だなぁと私は思っていたけど、むっくんはいつも以上に穏やかだった。
暫くの沈黙。
……むっくんは私をじっと見つめる。
話をして盛り上げようとした私はむっくんに話した。
ね、まいう棒のクリームチョコ味が出てたんだよ。
早速食べてみたんだけど、すごく甘くて、口の中でとろけそうな味がして―
チュッ…
むっくんは突然私に顔を近づけてキスをした。
唇が触れ、離したむっくんはちょっと笑って言った。
「チョコの匂いがした。アリサちんから。」
あ……
私はむっくんを見た。
むっくんの大きな身体が私を包む。
「アリサちん、俺は大好きだよ~。
けれど、ただの大好きじゃない。
……アリサが欲しいって意味の大好き。」
私は、むっくんの気持ちに思わず抱きしめたくなり、むっくんの愛しい大きな身体を抱きしめた。
私も……本当はむっくんが大好き!!///
「もう、俺だけの甘いチョコだから、アリサちんは。
誰にも渡さないから。」
私はむっくんにぎゅ~と抱きしめ返された。