第10章 Valentine2(及川、月島、夜久、赤葦、黒尾☆)
食事の片づけも終わり、ソファーに座った。テレビを適当につける。
貴「はい、コレどうぞ」
黒「サンキュー」
鉄郎は渡した箱の包みを開け、さっそくチョコを食べ出した。私はコーヒーを淹れて、彼の横に坐りなおす。
貴「貰ったチョコどうすんの?」
黒「俺はコレで十分だから、お前にやるよ」
鉄郎は私の頭をポンポンと軽く叩く。悔しいなぁ、私だけがどんどん好きになっていくみたいだ。彼と付き合えば付き合うほど、片思いに戻ったみたいな気持ちになっていくのはどうしてなんだろう。
貴「・・・ありがと」
私は鉄郎の肩に寄り掛かかり、見てもいないテレビに目を向けていた。
黒「さてと・・・」
チョコを食べ終えた鉄郎は、私の方を見てニヤリと笑った。そして私を抱き上げ、階段を上り私の部屋へと向かう。
貴「え、ち、ちょっと急に何?!」
黒「何って、今日は愛の誓いの日だから、今からお前のハジメテをイタダキマス」
貴「な、何言ってんの?!」
黒「はいはい、心配しなくて大丈夫。安心しろ。俺に任せとけば、よくなるから」
貴「いや、ちょっと待って、心の準備ってもんが・・・」
抵抗むなしく、ベッドに降ろされ長く深いキスで口をふさがれる。そして、キスは首筋から身体へと移っていく・・・。
私はいつの間にか自分から彼を欲していた。私だけが貴方に夢中になっていくみたいに。ねぇ鉄郎、貴方も夢中になってくれている?甘い甘い夜は終わらない。
END
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