第7章 孤爪研磨
彼の”嫌いじゃない”は”好き”と同義語なんだろうか?今でも時々不安になる。それは夕方のあまりにもきれいな赤い空を見ている時、夜に瞬く星の光が寂しく見える時の心持ちに似ている。
研磨が人を寄せ付けたくないのはわかっている。他人を側においておくってことが珍しいのも知っている。でも・・・。”好き”って言ってほしい・・・。
私は研磨が眠るベッドにそっと入る。猫がくっついて眠るような体制になり、頭を彼の背中にくっつけた。研磨のシャンプーの香りがする。そのうち彼の温もりが伝わってきて暖かな気持ちになり、いつの間にか私も眠ってしまった。