第31章 笑顔の行方(茂庭 要)
その後堅治と別れて家へと帰っても、茂庭さんの好きなタイプってどんな子なんだろうなんてことで頭の中が一杯になっている。
”恋をすると自分が変わる”なんて絶対にないって思っていたのは私の間違いだったみたいだ。
あぁ、茂庭さんの声が聞きたいな・・・、なんて思ってると携帯の呼び出し音が聞こえた。
やっぱり茂庭さんだ。治療費の連絡だとわかっていても、声を聞けるだけで嬉しくて、うろうろと自分の部屋を歩き回りながら電話をしてしまう。
気もそぞろに明日も会う約束をし電話を切った。
私は床でころころと遊んでいる小梅に声をかける。
貴「ねぇ、小梅。茂庭さんって優しいよね。もっと側に居たいんだけどどうしたらいいんだろうね」
小梅は小さな手で猫じゃらしを追いかけながら”ニャ~”と返事をした。
そういえば私、仔猫飼うのはじめてなんだよね・・・。もっとちゃんと知っておかなきゃいけない事ってあるだろうし。だからこの前みたいになったんだろうな・・・。
うん、茂庭さんに教えてもらおう!そしたら会えるもんね。
私はいつもより念入りにスキンケアに取り組み、早めにベッドにもぐりこんだ。