第31章 笑顔の行方(茂庭 要)
昨日の夜から暗雲が立ち込め朝から一日中雨がひどく降っていたある日の夜、チャイムが鳴り私は宅配便を受けとっていた。
その時ゲージから出て遊んでいた仔猫の小梅が雷の音でパニックになってしまい、脇目も振らず外に飛び出してしまった。
慌てて私は小梅を追いかけるもどこにも見当たらない。
まだ仔猫だから庭にでも隠れているのだろうと思い、懐中電灯を片手に捜したのだけど一向に見つからず、泣く泣く家に入ることになった。
どうしよう、まだ仔猫なのにこんなヒドイ雨の日に外にいるなんて・・・。
その日から私は迷子猫のポスターを張ったり、暇を見つけては探し歩いた。幼なじみの堅治も部活終わりに探してくれていたがなかなか見つからない。
ちゃんとご飯食べれているかな。怪我してないかな。・・・お願い帰ってきて・・・。