第29章 lovesickness 2 (月島 蛍)
そんなある日、帰り道の途中大ぶりの雨が降り出し傘がなかった私達はずぶぬれになってしまった。
貴「月島君、ウチで雨宿りしていったら?」
月「や、でも結構遅いし女の子一人の家に入るわけには・・・」
貴「大丈夫、今日は母がいるから」
月「傘かしてもらえたら平気・・・」
貴「いいから、風邪ひいちゃうし・・・」
私は月島君の制服の袖をつかみ玄関の中へと入る。
貴「お母さん、ただいま。傘持って行かなかったから濡れちゃった。バスタオル2枚頂戴。友達もいるから」
母「はいはい、あら、つばさの彼氏?」
月「いえ・・・。バレー部の月島蛍と言います。すみません。お世話かけて」
母「そうなの?残念。お風呂わいているから、ついでに入ってらっしゃいな」
月「いえ、大丈夫です・・・」
母「いいのよ、遠慮しなくて」
その時、再び扉が開き2人の男性がはいってきた
兄「ただいま」
明「お邪魔します」
貴「お兄ちゃん、お帰り。あ!明兄ちゃんもお久しぶりです」
明「お~、つばさちゃん、久しぶり。キレイになったな。って蛍なんでここにいるんだ?!」
明兄ちゃんは月島君を見て驚いた。
月「・・・兄ちゃん、それは僕のセリフ・・・」
月島君はじろりと明兄ちゃんの方を見た。
貴「え、明兄ちゃんって月島君のお兄ちゃんだったの?!」
って苗字一緒だもんね!
”明兄ちゃんは兄の同級生で鳥野バレー部時代、よく家に出入りしていたから、私を妹みたいに可愛がってくれていて、今でもたまに兄を訪ねて顔を出してくれている”
という話をしたら月島君は憮然とした顔になった。
貴(兄弟仲があまり良くないのかな?あんまり突っ込まないでおこう・・・)
結局月島君はお風呂に入り、皆でご飯を一緒に食べ明兄ちゃんと帰っていった。