第28章 lovesickness (月島 蛍)
次の日の朝練、私はスポドリを作りながら昨日の月島君の事を考えていた。
昨日の言葉は月島君の悪い冗談?
だって日向君に失恋したばっかりなのに、こんな事って都合よすぎるもの。
それにしたって冗談でもあんなこと言われたら、意識して余計話しにくい。今日も送ってもらうことになるだろうし・・・。私は大きなため息をついた。
清「つばさちゃん、朝からため息10回目」
清水先輩がいつの間にか側に来ていた
貴「え、あ!、清水先輩」
私は手にしていたスポドリが水を入れすぎてケースから溢れているのにも気づき慌てた。
貴「”心ここに非ず”って感じ?そろそろ休憩に入るから手伝うね」
貴「す、すみません」
私は清水先輩をちらりと見た。清水先輩だったらあの言葉の意味どっちにとるんだろう?
清「・・・月島のコト?」
貴「何でわかったんですか?!」
清「つばさちゃんは月島のコト、苦手っぽいし、その2人が一緒に帰ったから大丈夫だったかなと思って」
貴「えっと、ホントはちょっと苦手って思ってましたけど、優しいとこもあるってわかったので、それは大丈夫です。でも時々言ってることが、本気なのか冗談なのかわかんなくって」
私はオフの日から今朝の事までを、掻い摘んで説明をした。もちろん抱きしめられたことは伏せておいた。
清「そっかぁ、月島が・・・。まぁ日向の事はここ数日のことなんだから、つばさちゃんのペースで思い出にしていけばいいと思うよ。時間がかかると思うけどね」
清「月島の事は、はっきり言われたわけじゃないし、今は気にしなくていいんじゃない?っていっても、つばさちゃんは気にしちゃうんだろうけど。でもつばさちゃんのこと狙ってる男子は他にもいると思う」
貴「まさか、そんなコトないですよ。私いっぱいいっぱいですもん。これ以上イジらないでくださいよ」
清「ごめん、ごめん。つばさちゃんがかわいいから。さ、休憩入ったみたいだから急ごう」
私たちは急いでスポドリを体育館へ持って行く。
月島君の事は・・・悪いけど、少し時間を貰おう。
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