第28章 lovesickness (月島 蛍)
つばさsaid
い、いっぱい泣いたから大丈夫って思ってたのに・・・。私日向君の”仲のいい友達”でいられるのかな。こんな事位で泣いちゃうなんて自信ないよ。
涙がなかなか止まらない。
でも、月島君の温かさが優しくて落ち着いてきて・・・。
・・・・って、今私月島君に抱きしめられてる?!
貴「ご、ごめんなさい!!いきなり泣いちゃって」
その声に月島君の腕の力が抜け、私は慌てて身体を離す。
月「っ、僕こそゴメン・・・。先、体育館行ってるから」
そういうと月島君は部室を出て行った。
月島君があんなことするなんて・・・。なんか今までにない優しい感じだった。あぁ、もう、日向君にも月島君にもどう接していいかわかんない・・・。
私は月島君の熱が残る自分の身体を抱きしめ、壁に寄り掛かる。その間にも刻々と時間が過ぎていく。
・・・とにかく朝練始まってるし、行かなくちゃ。顔洗っていけば大丈夫だよね?
貴「清水先輩、遅れてすみません」
清「月島から聞いたから大丈夫よ」
貴「え?!」
思わずさっきの事を思い出し声が裏返ってしまった。
清「・・・もしかして何かあった?」
私はブンブンと首を横に振り
貴「いえ、全然何もないです」
清「・・・そう?ならいいけど」
あぁ、清水先輩はそっとしておいてくれたんだろうな。落ち着いたら話そう・・・。